先日とあるニュースを見ました。
有名人の過去の犯罪行為に関するニュースで、多くの批判も寄せられていたのですが、その人は幼少期から貧困で苦労されていた方で、同情も多かったというのが実際のところです。
一度負のスパイラルにハマってしまうとなかなか抜け出すことができなかったりもするのですが、どうすれば別のレールに乗り換えることができるのかについてお話したいと思います。
なぜ負のスパイラルにハマるのか?
負のスパイラルには様々なケースがあります。
DVや虐待など、暴力に関することもありますし、貧困などお金に関することもあります。
恋愛にもよく見られますし、仕事で上手くいかないことが続く、みたいなものも負のスパイラル現象に近いですね。
歴史などの観点で言えば、戦争時などにもこういったことはよくあったでしょう。
いろんなケースが考えられますが、負のスパイラルにハマるとなかなかいいことが起こりません。
なぜそうなってしまうのか、まずはそこの解説からいきます。
理由はシンプル、視野が狭くなるため
基本的に、負のスパイラルにハマると視野が狭くなります。
視野が狭くなると、選択肢が減る。
少ない選択肢の中からしか行動を選べなくなり、その中にそもそもいい選択肢が含まれていないことも多い、結果としてスパイラルにハマっていく、というわけです。
ではなぜ視野が狭くなるのか。
その裏には「価値観の固定化」があります。
特に意識しているつもりはなくとも「コレが絶対だ」と思い込んでしまうみたいなものですね。
コレがいいこと、コレが悪いこと、その感覚や価値観が絶対である、みたいな感じです。
一度価値観に対して絶対だ、と思い込んでしまうと、価値観に対しての疑いを持ちにくくなるため、価値観の外側をイメージできなくなる、という流れです。
極端な話、「ウソをつくのは悪いことだ」と一度絶対視してしまうと、全てのウソに対して悪いとしか思えなくなってしまうような感じです。
実際は、小さい子供が初めてできたことを下手でも「上手にできたね」と褒める時のように、状況や環境によってウソをついた方が相手のためになったり、思いやりが感じられるケースも多いにも関わらず、ウソだから絶対にダメだ、と判断してしまうようなニュアンスです。
具体例を挙げると。
例えば、人をコントロールするとか、圧力や暴力で押さえつけるような人物、感情的な誰かが近くにいたりすると、その人の持つ価値観に強く影響を受けてしまいがちです。
親や配偶者がそういう人間だと、その人が言うことが全て、みたいになってしまうことはよくありますね。
根底にあるのは強い恐れや不安です。
その人の価値観の中で選択・行動しないと自分が危険な目に合うような気がしてしまう。
そうなると、その価値観の外にも世界があるということが全くイメージできなくなってしまう、みたいな雰囲気になります。
幼少期にこういった経験をすると、最初から視野が狭い状態が続くため、大人になってからも抜本的な解決方法に意識が全く向かないということがよくあります。
私のケースで言うと、非常に偏った価値観を持つ親(毒親)のしつけを受けて育った結果、割と大きくなるまで、周囲には悪い人間しかいないようなイメージを持たされていました。
悪い人間しかいないみたいなイメージが全てで、それに逆らうと自分が親から危険な目にあわされるので、その価値観の中で思考を処理していかないといけない。
選択肢が「悪い人間しかいない」を前提にしているので、いいことが起こる選択肢自体を選べない、みたいな感じです。
お金に関してもかなり価値観を制御されていました。
お金は怖いもの、苦しいもの、悪いもの、といった価値観を持った者が自分の保護者であり、それに逆らうと自分がツラい目に合う。
すると、お金は怖くて苦しくて悪いものなのだ、という前提でお金に関する選択肢を探すので、なかなか経済状態が改善されるような選択肢が見えてきません。
負のスパイラルにハマるというのは、その視野の狭さゆえに、そもそもの選択肢の中に最初からいいものが入っていないような状況を指すとも言えます。
DVや虐待、貧困の連鎖など、経験したことのない人からすれば「逃げればいいじゃん」と思うわけですが、実際はそこまで単純な話ではないのです。
そもそもが逃げるという選択肢が一切見えない思考になっている、ということです。
あるいは、チラっと見えたとしても、それを選択することでもっとヒドい状況になるような気がしてしまう、そんな感じです。
こういった状況を回避するために、どうすればいいのか。
負のスパイラルにハマらない習慣を普段から持つ
まず、考え方自体を変えてください。
負のスパイラルにハマるのは、状況のせいではなく、思考のせいだ、という考え方です。
この超基本がそもそも抜け落ちているので、ここから改善していくのです。
とかく、悪い状況が続く人、なかなか抜け出せない人は、それを状況や環境のせいにしがちです。
あの人のせいでこうなった、この環境のせいでこうなってる、そう捉えがちですし、負のスパイラルグセがついているとそういう捉え方になるのです。
それはそれで間違ってはいませんが、原因を自分の外ではなく自分の中にある、という見方に変えていきましょう。
原因が自分の中にある、というのは、自分が悪いという意味ではありません。
自分がそれまでの経験で培われた思考が偏ってしまっているのだ、みたいな意味です。
例えば、お弁当を長時間斜めにして持ち歩いてしまうと片側に偏って見た目が悪くなりますが、だからと言ってお弁当自体が悪いわけでも質が落ちるわけでもないですね。
これと同じです。
自分が負のスパイラルに陥っているのは、これまでの経験の影響で思考が斜めに偏ってしまって視野が狭くなっているのだ、と考えるのです。
なぜ、こう断言できるのかというと、どんなに悪条件の中にあっても、負のスパイラルに陥らずにスルリと抜け出て成功している人や現実がいくらでもあるからです。
悪条件、悪い環境は要素としてはありますが、そのすべてに原因を押し付けても状況は変化しない、ということです。
思考をまず「視野を広げる」という方向に変えていきましょう。
負のスパイラルになりにくくなる習慣
では、負のスパイラルになりにくくなる習慣をご紹介します。
まずは口癖や思考のチェック
「でも」
「だって」
「そうは言っても」
「これしかない」
「そうするしかない」
「そうなってしまう」
こういった、諦めや怠惰を含むニュアンスの表現を言わないように、思わないように徹底していきましょう。
負のスパイラルにハマりやすいと「いや、だからそうは言ってもソレができないからこうなるんだよ」みたいな反論があると思いますが、常に、自分の考え方自体が固まってしまっているのかもしれない、と思うようにしていきましょう。
柔軟性を持つ、という言い方もできますが、自分が間違ってても否定されても別に悪いことではない、成長するために必要なことだ、という基本原則がわかっていれば、考え方を疑うことはさほど難易度が高いことではありません。
多くの人は、間違いや否定されることを極端に恐れている傾向があるのですが、そうだったからと言って罰が下るとか、痛い目にあわされるということはないというのを思い出しましょう。
過去にそういうことをいう人が周囲にいたかもしれませんが、そちらが間違っているのです(笑)
その上で、自分の考え方が固まってしまわないように注意を払っていく、ということです。
お金や人のせいにしない
負のスパイラルにハマらないようにするために重要な習慣、ふたつめは、お金や人のせいにしない、ということです。
負のスパイラルにハマってしまう状況には、大抵、自分以外の何かの要素が絡んでいます。
自分の意志としてはコレだけど、お金がないからこっちにするしかないとか、自分がコレをやりたくないけどあの人がいるからやらなきゃいけないとか。
こういう感じですね。
本当にお金がないんだからしょうがないじゃないか、とか、その人がいるんだからそうするしかないだろう、と反論したい人も多いと思いますが、だったらどうすればお金を作れるのかを考えるとか、お金がなくても同じような選択をするにはどうすればいいのかを考えるとかに切り替える。
その人に影響されない選択肢を積極的に選ぶとか、その人を除外した考え方を貫いてみるとかをやってみる。
とかく、お金と人は、避けられない事情のように思われがちなのですが、お金と人ほど負のスパイラルにハマる強い要因もありません。
避けられないと自分で決めてしまっているからスパイラルにハマっていくのです。
お金と人が原因でスパイラルにハマりがちな人は、この意見を読むときっと感情的になると思いますが、感情的になっても解決はしません。
冷静に捉えて考え方を変えていきましょう。
私も以前はお金と人のせいで負のスパイラルにハマりまくっていました。
小さいレベルから徐々にお金を稼ぐ力を身に着けていき、小さいレベルから人に原因を押し付けることをやめて、負のスパイラルから脱しました。
いきなり全部というのは難しいと思いますので、まずはお金や人のせいにしていないかのチェックからしてみましょう。
いい意味で人に助けを求めることを覚える
負のスパイラルにハマらないようにするための習慣、その3は、人に助けを求めることを覚える、というものです。
負のスパイラルにハマりがちな人の多くが「人に依存してはいけない、頼ってはいけない」みたいな考え方が強くあります。
人に依存すること=迷惑をかけること、と感じている。
もちそん、そういう時もありますが、本当に困っている時に人に助けを求めることは悪いことでも迷惑なことでもありませんし、むしろ、然るべき時に頼らずにもっと悪化してから頼られる方がよほど迷惑なわけです。
軽傷で済む段階で、人にしっかり、気軽に助けを求めることを覚えていくのは大事です。
もちろん助けを求めるからには、いい助けの求め方である必要はあります。
いきなり状況説明もなしに「お金ください」では感じ悪いですし、信用も落としますよね。
では、どういう助けの求め方が好ましいのか。
一番は「状況をよくするための考え方を教えて欲しい」と助けを求めるものです。
多くの人が困っている時に具体的なものとか、お金とかで助けを請うのですが(もちろん、災害時などは別ですよ、ケースバイケースで考えてください)負のスパイラルにハマらないためというのを前提とした場合、そもそも自分の考え方自体が凝り固まってしまって抜け出せていないことが多いわけですから、考え方を教えて欲しい、という意味で頼るのは効果的ではないかと思います。
この場合、では誰に助けを請えばいいのか。
少々難しく聞こえるかもしれませんが、状況に直接関係のない第三者がいいでしょう。
関係者や状況をよく知っている人だと、全く違う視点を持っていない可能性が高いからです。
新しい考え方が違う視点からしか生まれません。
人に助けを求めて行くということに対して、気楽に構えてやっていきましょう。
また、人に迷惑をかけること=悪いこと、という思い込みも捨てていきましょう。
迷惑は浅いうちにこまめにかけておくこと、そして人から浅い迷惑をかけられることを歓迎すること。
人とのつながりとはそういうものです。
深みにハマってから迷惑をかけることの方が何倍も迷惑です笑
迷惑をかけることに対して心を開く勇気を持ちましょう。
負のスパイラルが起こらない情報・環境を作れ
いずれにせよ、最も意識すべきことは、そもそも負のスパイラルが起こらないような環境に身を置くことです。
最初から負のスパイラルが起こりそうな環境にいれば、当然、自分がそのつもりでなくとも引っ張られしまいます。
負のスパイラルに気づいた時点で環境そのものを移動するとか(環境とは必ずしも場所のことだけには限りません。人間関係も環境のひとつです)負のスパイラルから脱することのできるような情報を本気で探すということをしていきましょう。
負のスパイラルは「ほっといたらいつかどうにかなる」みたいなものではないことも多いです。
気づいた時点で粛々と対処していく気構えが重要です。
確かに負のスパイラルにハマった時点でマインドが弱っていてものを考えられないとか、人の言いなりになってしまう、ということも多いかと思いますが、そこで諦めてしまえばそれがずっと続くのだ、としっかり意識して、気を強く持ち、自らスパイラルを断つ決意をして行動しましょう。
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