今回は集中力に関する記事です。
私のところにはよく集中力に関するご相談も寄せられるのですが、その大半に関して感じることや、意識するといいことなどをお話していきます。
先にちょっと自分の話をしておくと、私は今は集中力かなりある方だと思います。
以前はむしろ全くありませんでした。
つまり、元々ない状態からあると言える状態に自力で変えたということです。
そして、今感じるのは、集中力において大事なことというのは「ある・なし」の部分ではないな、ということです。
この話は完全に、どこかで学んだことなどではなく、私の経験と思考からのみ来ている話になりますので、他では読めない記事になると思います。
お楽しみに。
そもそもなぜ集中力が必要なのか?
意外とこの点に関して、向き合っている人がそう多くありません。
というかほとんどの人は「集中力は大事だ!!」とだけ思っていて、なぜそれが重要なのかは考えていない、という感じかと思います。
この「なぜ」の部分を分析すると、集中力に関しての答えがおのずと出てきます。
これは集中力に限らず、他の悩みや問題にも全てについて言えることなのですが、なぜ大事だと判断しているのか、その部分から突き詰めていくといいと思います。
集中力が大事な理由
これは、私の分析ですと、以下が理由になります。
脳内にある何か「理想とする完成形」に対して、より近いものを可能な限り短時間で、最大限それに近い形で、なんらかの形で現実化させるため。
なんだか難しそうに見えると思うので、具体例を出しますと。
例えばテスト勉強なんかでは集中力が要求されますね。
そうすると「脳内にある理想とする完成形」は「テストで100点」とかなわけです。
これを短時間の勉強のみで100点出せるようにする、と。
長時間の勉強で30点なら当然集中力はいらないわけです。
ダラダラやって低い点数なら誰でもできる。
長時間の勉強で100点でもそこまでは集中力はいりません。
地道にガッツリ、こつこつ必要なものを記憶するとか理解していけばいいわけですから、時間が許すのであればそこまでは必要ではない。
これは例えば小学1年生のテストを大人がやったら誰でも100点になるのと似ています。
集中力とか関係なしに、長年の経験で当たり前になってしまっているだけ。
短時間で30点でも集中力はいりませんよね。
短時間の間にちょっとなんか覚えればいいだけなので気が散っても頭に入らなくてもいい、という条件になるため、集中力は要求されてこない。
つまり、短時間でカンペキに近いもの、というのが集中力が求められる条件になってくる。
仕事などに置き換えてもそうですよね。
納期が近いものと納期が長いものだったら当然前者の方に集中力が求められる。
仕事であれば完璧に近いものじゃないとマズいので、やはり短時間と完璧さが条件にきますよね。
要は、集中力という言葉が出てくる時点で、無意識下に
「短時間でカンペキに近い何かを形にしなければならない」
というものが頭の中に前提としてある状態、ということです。
しかし、集中力という言葉だけがひとり歩きをして、この前提が置いてきぼりになっているような印象が若干あります。
もちろん、短時間とか完璧さというのは相対的なものです。
子供の短時間と大人が言う短時間は違いますし、初心者の完璧さと上級者の完璧さは意味が全く違ってきます。
しかしいずれにせよ、集中力という言葉が生まれる前提にあるものを概論で言えばコレになるということです。
前提の部分をしっかり理解することによって、自然と集中力も引き上げられていく、というのがこれからお話することの根底にあるものです。
集中力ではなく前提に意識を置く
というわけで、コツはコレです。
集中力のあるなしにこだわるのではなく、必ず前提にある「短時間と完璧さ」の方に意識の重心を置く、ということ。
人が集中力を求める時、集中力に悩む時、必ずコレか、これに近いものが前提にあるわけですから、こちらを気にしてみよう、というわけです。
逆を言えば、集中力に悩む人の大半が、集中力のあるなしに気を取られていて、ここにさほど重要性を置いていないかと思います。
中には「そんなことない、自分は気にしている」と思われる方もいらっしゃると思いますが、本当に短時間で達成する完璧さに重点を置いていたら、集中力の部分はさほど気にならなくなってくるはずです。
短時間で完璧に近いものをやらねばらない、というだけでイヤでも集中力出さないといけなくなりますからね、それどころではなくなる、みたいなニュアンスです。
もう一度ポイントを言いますと
短時間で完璧さにこだわる、ということを強く意識すること。
その優先順位を上げること。
これが集中力をつけるために、まず最初にして欲しいことです。
「短時間」の意識の仕方
こう話すと、今度は短時間ってどれくらいですか、みたいな疑問がわいてくると思います。
先ほども話しましたが、これは相対的な話です。
巨大な建造物を作るみたいな話になれば5年でも短時間ですし、俳句程度の文章を覚えるとなれば、30分でも長時間です。
つまり、何をやるのかによって短時間の具体的な数値は当然変化するということです。
では、どうやってその「短時間具合」を導き出すのか。
これはそこまで難しくなくて、自分が普段、時間が許されている場合に対象にかける時間を書きだしたり思いだしたりしてみるといいかと思います。
例えばいつもやっているデータ入力の仕事があるとする。
特に納期など決まっていない時、通常ならどれくらいでその入力を終えるか。
大体3日、とか、大体一週間とか、大体3時間、など通常の作業時間が大体は出てくると思います。
ここで言う短時間は、その4分の3か、3分の2くらいで考えるといいかもしれません。
通常3日かかるということであれば短時間は2日。
通常一週間かかるということであれば短時間は5日。
こんなようなニュアンスです。
私の場合で言うと、大体1,000文字くらいの文章は通常時で15分です。
なので、短時間で考える場合は1,000文字10分とか7分とかで算出します。
なんとなくイメージできるでしょうか?
そして、この時間で、通常時と同じクオリティのものをこなす、作る、生み出す、みたいな感じで捉えてください。
ちなみに、慣れてきたら「通常時の半分」を短時間で設定するといいと思います。
人はその気になればいくらでも能力を上げられるものですので、最初は絶対ムリだと思っても、慣れてくればもっといける、と必ず思えるものなのです。
「完璧さ」の意識の仕方
短時間の方の意識の仕方の次は「完璧さ」の方の話をしていきます。
こちらも繰り返しますが、相対的なものです。
子供が作るねんどの作品と老齢の彫刻家が作る彫像であれば素材が同じでも完璧さの度合いはまるで違いますよね?
こればかりは経験値や素質、経験年数などもかなり入ってくるので、何をやれば完璧、みたいなものはそもそも存在しないと思ってください。
では、何をどうすればいいのか。
これに関して意識して欲しいのは以下。
前回よりも1ミリでもクオリティの高いものをやる、こなす、作る。
コレでいいと思います。
また、初めてである場合は「今できる最大限にクオリティの高いものを」という意識でいれば、ここでいう「完璧さ」のニュアンスに近いものになります。
要は、完璧さに関して比較するものを常に過去の自分とする、という感じです。
他人と比較しての完璧さだと絶対に上手く意識できません。
他人には他人の基準のクオリティがあるからです、あなたの基準とは合致しません。
あくまで過去の自分と比較してどうか、で考えましょう。
この話題において、過去の自分は基準が同じ「他人」です。
今の自分だけが自分なのです。
まとめると
集中力をつけようと思ったら・・・・
いつもの自分よりも早く、前回の自分よりも質の高いものを仕上げよう。
と思ってください、ということです。
これが作業中、意識の最上位に来てさえいれば、いやでも気が散りにくくなりますし、自然と集中力は上がります。
これでも気が散ってしまう、集中力が出てこない、というのは、意識の最上位にコレがきていない証拠です。
当然ですが、必ずそれにならなければいけないというわけではないです。
その作業をしている時の最上位・最優先とするものがコレになっていればいいというだけであって、実際は結局いつもと同じ時間になってしまったとか、結局いつもと似たようなクオリティになってしまったとかでも別に失敗でもなんでもありません。
今回の話はあくまで集中力を上げるための考え方なので、結果は別のカテゴリの話になります。
しかし、別に失敗ってわけじゃないからいいや、と自分を甘やかすと途端に集中力は出てこなくなりますので、作業中だけでも「短時間で前回の自分よりいいもの!」と意識してみてください。
ポモドーロ法を取り入れる
集中力を上げる訓練として、ポモドーロ法を取り入れるというのもアリかと思います。
ポモドーロ法とは、スマホなどのタイマーを使って、25分後にセットし、25分間作業、5分休憩を繰り返すというもの。
これをしばらくやると、集中力を上げるを上げる感覚がつかめてくるかもしれません。
この作業時間と休憩時間は自分で適宜増やしたり減らしたりしても大丈夫です。
非常に便利なポモドーロタイマーの動画がありましたので貼っておきます。
集中力のゴールはココ
ここまで集中力を上げるための考え方をお話してきましたが、私が本当に重要だと思っていることは、集中力のあるなしではありません。
必要な時に、必要な量の集中力をすぐ自力で出せるようになることだと思っています。
例えば、今夜までに仕上げなきゃいけない何かがある、という時に「よし、じゃ今から集中」とすぐにその状態に入ることができる、そんな感じです。
ゾーン状態を気軽にすぐ自力で作れる、みたいなイメージです。
これがあるとエネルギーのコントロールが非常にしやすくなり、また、エネルギーの浪費もかなり減ります。
ぜひ、ここを目指してみてください。
そのために、まずは前提である「短時間と完璧さ」を作業中常に意識する訓練からしましょう、というお話になります。
私の経験談
最後に、私が「集中力はある方だ」と言えるようになるまでに実際にやったことを参考までにお話します。
自分の場合は、文章を書くことに関してがこのテーマでした。
一時期、某所に小説の連載をしていたことがあり、その時にこの感覚を身に着けたのですが。
連載は1回が大体1万字程度のものでした。
当時は筆がまだ遅く、1万字書くのに2日くらいかかっていた。
しかし、その連載は毎日更新だったため、1万字を1日に矯正する必要があった。
そこで、自分にノルマを課したわけです。
1万字書けるまでは寝てはならない、というノルマです。
寝なければ見た目上、その日は終わらないので2日扱いにはならない。
その代わり、寝るなと自分に条件をつけて数か月コレをやっていました。
小説を書くこと以外のスケジュールも当然入っているので、寝ないわけにもいきません。
翌日、朝早い時などは徹夜で行くという選択をしないのであれば、最低でも0時に寝ないとマズいとかがあるわけです。
必然的に、文章を書くスピードが上がりました。
加えて、連載は仕事でもあり、人に読まれるものだったので、自分比でクオリティの低いものを出すわけにもいきません。
作業に対するプロ意識で過去の自分のクオリティとの闘いをやっていました。
というわけで、集中力を上げるために、取り組んでいる作業に対して「プロ意識でやる」という姿勢を持つといいかと思います。
実際に仕事かどうかではなく、その作業をやっているからには自分はその時間はプロだ、と思いながらやるようなニュアンスですね。
これで自然とクオリティの方も上がっていくと思います。
当然ですが、クオリティにプライドを持たずにルサンチマン化するのは素人がやることだからです。
ぜひ、ご自身が取り組まれることにプライドを持ってください。
逆を言えば、プライドがない状態で取り組むと集中力は上がりにくいということです。
「どうせ自分なんか」とか「難しそう」みたいなことを脳内に思い浮かべないこと。
これらは分析すると他人との比較がどこかにある考え方であり、自分を甘やかす要因となるので、集中力を上げる邪魔となるのです。
というわけで、集中力を上げるために意識すべきことのお話でした。
集中力に関するアドバイスを差し上げています
私の主催するコミュニティでは、集中力に関するアドバイスも差し上げています。
ご興味がありましたらぜひいらしてください。
コメント